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3 ホームセンターの今後を考える 〜お客様起点のサービス業であれ

柳瀬ホームセンター業界のように成熟化が進んでくると、なかなかその中でのイノベーションというものも起きにくくなるように思います。それでも変化はしていかなくてはならない。そこのところは、どのようにお考えですか。

大山望ましいのは、タイミングと人材とビジネスチャンス、3拍子揃うことですが、重要なのは、ポリシー、信念です。ただ安く仕入れて安く売る、というやり方ではだめです。
 安くて品揃えの多いスーパーより、定価で品揃えの少ないコンビニのほうが、売上が伸びているのは、お客様が値段よりも利便性を優先しているからです。これは、かつての成長期と現代とでは、日本社会に構造的な変化があったと捉えるべきでしょう。
 今の時代、お客様は「まず価格ありき」ではありません。毎日の食材を買うスーパーと違って、ホームセンターは必要な時に必要なものを買いに来るところです。近くに競合店ができても、お客様は最終的に便利な店を選ぶのです。
 もちろん、高額なものを買う時は価格が重要になるので、常にお客様にとって価格と利便性どちらが大事なのか、区別して考えることが大切です。

柳瀬アイリスオーヤマグループの中に、ホームセンターのダイシンさんがありますが、そちらではどのような方針を持っておられますか。

大山私は「無駄な経費を省く・お客様が欲しいものを品揃えする・お客様にリピーターになって頂く」この3つが重要だと考えています。他の店がいくらで何を売っているかだけではなく、真摯にお客様が欲しいものを揃えるということが大事だと、いつも言っています。何のためにお店に来るのかをお客様自身に問い、お客様が何を求めているかを必死で考えなさいと。それがない限り、ホームセンターに変化は起きません。
 これからのホームセンターが注目するところは、客層の高齢化への対策だと思います。お客様には価格以外のニーズがあります。例えば、高齢化すればするほど、必要なものを自宅まで届けてほしいといったニーズが高まると思います。

柳瀬グッデイのお客様も50代、60代の方が多いです。お客様にとって何が喜ばれるのか、もっと深堀りする必要があると思っています。

大山そういったことが、お客様からの信頼、お店への愛着につながると思います。ダイシンには会員制度がありますが、入会率は70%を超えています。会員のお客様にとって、ダイシンは自分の店だと感じて頂いていると思っています。そうなると、値段の高い・安いではなく、お客様の信頼に応えるサービスが重要になってきます。
 お客様は何万品目という中から数品目を買います。お客様にとって、見やすく、選びやすく、手に取りやすい売場づくりをしなければなりません。

柳瀬売場の案内表示や商品情報の提供も、お客様の目線で見て分かりやすいということが重要ですね。

大山主語は常にお客様であり、お客様が求めるものを仕入れ、お客様が買いやすい売場づくりをする必要があります。私は「ホームコンビニエンス」という言葉を使いますが、これこそダイシンのテーマです。
 2000年頃から小売りの店舗は大型化し始めましたが、品揃えが変わらなければ、ただ売場が間延びしているだけで、お客様にとって買いやすくはなりません。
 例えば、店舗数が10で陳列量が10ならば仕入れる数は100です。店舗数は増やさず、面積を広くして陳列量を30にすれば、300個並べることができます。大量に買い付けた分、安く仕入れ、安く売ることもできます。数量を増やしただけなので、店のオペレーションも楽です。しかしお客様は、店が広くなった分、買うのに時間がかかります。
 店の利便性とお客様の利便性、どちらを優先するかという話です。商品を並べておけば売れるという売り手市場ならば、店の都合を優先できますが、お客様が商品を選ぶ買い手市場ならば、お客様を優先しなければ売れません。

柳瀬単なる店舗の大型化はお店の都合であって、ホームコンビニエンスはお客様優先の考え方ですね。今、ホームセンターは買い手市場です。何もしなくてもお客様が来てくれる時代は終わったと思います。

大山今は、お客様が店を選び、商品を選ぶ時代です。店は楽をするのではなく、選ばれるための努力や工夫をしなければなりません。その分、お客様は買いやすくなり、店はお客様からお金を頂くのです。

柳瀬店舗スタッフは、仕事が楽になるかどうかではなく、お客様の役に立つかどうかという視点が重要ですね。現場が作業目線になりすぎないように気をつける必要もあると思います。

大山そうですね。また、これまでの小売業は、安く仕入れて安く売り、店の数を増やすという掛け算の世界でした。これからは、単品管理とロジスティクスというシステムを自分達で構築した企業が強いですね。そこではやはり、経営者の信念や根性が重要になってきます。

柳瀬経営者が軸と熱意を持つことが大切ですね。

大山ええ。もちろん、仕入れが高くてはいけませんが、値切って安く仕入れるのではなく、物流などの仕組みによってコストを下げることが重要なのです。それがシステムです。
 私は、ホームセンター成熟化の現状を悲観してはいません。もともとアイリスとホームセンターはWIN―WINの関係です。アイリスとホームセンターで新しいマーケットを作ったことによって、お互いに大きなビジネスとなりました。経費に見合った付加価値を考えればいいのです。
 一杯500円のビールが3000円になっても、サービスがよければお客様は満足してくれます。小売業は、かつては物販業でしたが、今はサービス業です。サービス業であるという価値観において、お客様の評価、満足度がすべてであるということを忘れてはなりません。

柳瀬お客様が喜んでくれる商品とサービスを第一に考え、ホームセンターのあり方を変えていけたらと思います。今日はありがとうございました。

大山ありがとうございました。

仙台本社

アイリスオーヤマ株式会社

設立 :1971年4月
資本金:1億円
本社 :〒980-8510
    宮城県仙台市青葉区五橋2-12-1
    TEL/022-221-3400(代表)

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ランドスケープアーティスト 石原 和幸氏

  1945年生まれ。64年、急逝した父親の後を継ぎ、19歳でプラスチック成形加工を行う大山ブロー工業所代表に就任。71年に法人化、91年アイリスオーヤマに社名変更。生活用品の企画・製造・販売により、同社を大きく成長させた。地元の経済団体等において数々の要職を歴任。東北未来創造イニシアチブの代表発起人でもあり、地域の経済産業の振興に尽力している。

嘉穂無線株式会社 副社長 柳瀬 隆志

 1976年生まれ。2008年、嘉穂無線株式会社に入社。売り場経験を経て、09年取締役社長室室長に就任。「グッデイならできる」のフレーズで親しまれるCMの制作に携わる。10年に取締役本部長、13年、代表取締役副社長兼営業本部長に就任し、現在に至る。